background-color: black <br /> <div style="text-align:center;color: #fff;text-shadow: 0 0 82px #0fa, 0 0 92px #0fa, 0 0 102px #0fa, 0 0 151px #0fa;"><span style="font-size:3em;">医学英語</span> <span style="font-size:4em;font-family:serif;">III</span></div> <br /><br /><br /><br /> <div style="position:relative;left:350px;width:350px;padding:20px;border-radius: 20px;font-size:1.5em;text-align:right;background-color: rgba(255,255,255,0.7);">馬場美彦 <ul style="list-style-type:none;font-size:0.5em;text-align:right;"> <li>杏林大学医学部</li> </ul> </div> このスライドの使い方を見るには、 h を押してみてください。 <div style="font-size:1em;text-align:center;color: #ccc;"> このスライドの使い方を見るには、 h を押してみてください。 </div> --- ## はじめに 対象: 杏林大学医学部 **医学英語III** C班 (前期)、B班 (後期) 修得すべき能力: シラバスから一部を変更しています。 * 臨床論文の結果と結論を読むことができる * 研究の構造と研究デザインの違いを理解する。 * 研究の臨床的意義について説明できる。 * 11回の授業 * 講義 7回 * 演習 2回 テスト * 演習AL 2回 ??? 近年では、全ての医師に研究能力が求められるようになってきいます。本講義の到達目標は、医療従事者として、臨床論文 (clinical paper) を、批判的に読むこと (critical reading) ができるようになることです。 このために「修得すべき能力」は三つあります。 まず一つ目は、臨床論文、特にその結果 (results) と結論 (conclusion) を読み正しく理解する能力です。 題材は、フレイル (frailty)\index{ふれいる@フレイル}に関する論文を使用します。日本を含めて世界では高齢化が進行し、「フレイル」という状態の人が増えています。フレイル自体は病気ではなく、一度フレイルになってもまた頑健な状態に戻ることも可能です。一方、フレイルな状態は病気やケガにかかりやすい状態でもあります。 --- ## 自己紹介 * https://orcid.org/0000-0001-7034-9724 * https://researchmap.jp/babayoshihiko * https://www.researchgate.net/ Dr. Baba is a part-time lecturer of Medical English at Kyorin University School of Medicine. His academic interests are comprehensive community care, gerontology, and geocomputation. He is a father of a six-year-old son and enjoys football and swimming in his free time. ??? --- ## 学習指導書 <span style="font-size:1.3em;font-family:monospace;">https://www.uclmail.net/users/babayoshihiko/kyorin/</span> パスワードによる制限がある場合、大学名のローマ字です。 教科書 * 鈴木伸二 (2016) 「英語医薬論文の読みかた・訳しかた」薬事日報社 参照文献 <ul style="font-size:0.7em;"> <li>浦島充佳 (2020)「ゼロからはじめる臨床研究論文の読み方―研究デザインと医学統計の必須ポイントがよくわかる」東京図書</li> <li>バウワース、オーウェンス、ハウス (2005) 「医学英語論文の読み方」丸井英二、檀原高 (翻訳)、朝倉書店</li> <li>イアン・K・クロンビー (2007) 「医療専門職のための研究論文の読み方―批判的吟味がわかるポケットガイド」津富宏 (翻訳)、金剛出版</li> <li>開原成允、浅井泰博 (翻訳) (2001) 「JAMA医学文献の読み方 (EBMライブラリー)」中山書店</li> <li>片岡裕貴、稲垣雄士、辻本康 (2022) 医学論文の読み方2.0 論文を批判的に吟味し臨床適用するためのLetterの書き方、中外医学社</li> <li>鶴田陽和 (2013) 独習 統計学24講: 医療データの見方・使い方、朝倉書店</li> <ul> ??? 上記サイトには、過去の講義スライドや過去問等があります。 --- ## 英語の4技能 この科目では、以下のように行います。昨年までと一部変わっています。 * Reading: 本講義の第1目的。論文の読み方を講義します。 * Speaking: 特になし * Writing: * Listening: 特になし (黒田先生の講義) ??? --- ## 論文とは? * 学術誌に掲載されている学術論文 * 複数の専門家による査読を受けている 論文の構成 * タイトル * 抄録 (Abstract) * キーワード * 本文 * 資金などの情報 * ウェブ上の補足資料 ??? --- ## 論文をどうやって見つける? 情報サイト * [CareNet](https://www.carenet.com/) 論文/ニュースに、CLEAR!ジャーナル四天王、日本語で検索できる PubMed Cloud * [Minds ガイドラインライブラリ](https://minds.jcqhc.or.jp/) * [NEJM JWatch](https://www.jwatch.org/) 検索 * [PubMed](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/) または [PubMed CLOUD|日本語で論文検索](https://pmc.carenet.com) * 医中誌Web * [Google Scholar](https://scholar.google.com) ??? 研究者の中には「1日一つ論文を読みなさい」という人がいます。論文は、どうやって探すことができるでしょうか? 昔は、研究室に所属していれば複数の学術誌が研究室内に置いてありました。しかし、多くの紙ベースの論文がオンライン移行しており、今後もその流れは進むでしょう。 情報サイトは、良い論文を紹介してくれます。CareNet は、専門家が論文を紹介している良いサイトです。ただ、こう言ったサイトを定期的に読まれるかたは少数派ではないでしょうか。 調べたいことがある際には、PubMed やその日本語版である PubMed Cloud は良い検索サイトです。これは医学に特化しており、専門家が論文を読んで MeSH キーワードをタグづけしています。 Google の論文版の Google Scholar は、医学以外もカバーしているため検索結果が膨大になります。Google Scholar は、「被引用件数」があるのが決定的な違いです。 --- ## 学術雑誌 | ジャーナル名 | IF$^1$ | | ------------ | ------ | | New England Journal of Medicine | 72.406 | | JAMA (Journal of the American Medical Association) | 44.405 | | The Lancet | 44.002 | | BMJ (British Medical Journal) | 20.785 | | Annals of Internal Medicine | 17.202 | | | | | PLoS ONE | 2.806 | | BioMed Central | | | Scientific Reports | | `\(^1\)` 2016年の Impact Factor。 ??? IF は、ジャーナルの評価指標の一つ。IFは、点数が高い方が良い。臨床論文ジャーナルであれば、1.0以上であれば信頼性があると言われている。 上の5つのジャーナルは、医学分野における5大ジャーナルと言われている。このほか、Nature と Cell は別格とされている。 ジャーナルは従来、購読者がお金を払っていた。これに対し、著者が掲載料を払うなどして、アクセスを無料にしたものが Open Access Journal である。各国では、税金で行われた研究に対し国民は無料でアクセスできるべきであるとして、Open Access が広まっている。 PLoS 系のジャーナルは PLoS ONE の他、PLoS Medicine などもある。またオープンアクセスのジャーナルは、データや統計解析に使ったプログラムなども Supporting Information として提供していることがある。BioMed Central は、査読も公開している。 --- <div style="position:absolute;top:80px;width:80%; background-color: transparent;"> <img src="M3-guidance-xaringan_files/figure-html/unnamed-chunk-2-1.png" style="display: block; margin: auto;" /> Source: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%A8%E5%BA%8A%E7%A0%94%E7%A9%B6 (Creative Commons Attribution-Share Alike 4.0 International) </div> --- ## 文献の管理 * EndNote (有料) * Mendeley (無料) * Zotero (無料) * BibDesk (無料) mac のみ * RefWorks (杏林大学図書館、有料) ??? 文献を読んだら、文献管理アプリケーションで管理しておきましょう。 アプリに PDF ファイルをリンクさせることで、すぐに開くことができます。メモも可能です。 Word などで引用文献を書く場合には、自動的に形式を整えたり整列してくれるなどの機能があります。 Zotero の場合、データはクラウド上で管理され、他の人と共有することもできます。 --- ## 研究デザイン * メタアナリシス: meta-analysis, systematic review, forest plot, funnel plot * ランダム化対照試験: randomised controlled trial, randomisation, blinding, ANOVA * コホート研究: cohort, retrospective/prospective, cross-sectional, longitudinal, odds ratio, logistic regression ??? M3 で扱うキーワードの一部を示しています。 --- .pull-left[ 医師国家試験 第109回 C問題 9 研究を行い本人が患者や対象者の集団に働きかけて直接データを収集しないのはどれか。 a コホート研究 b 症例対照研究 c ランダム化比較試験 d ケースシリーズ研究 e メタ分析〈メタアナリスシス〉 ] .pull-right[ **Meta-analyses.** A *meta-analysis* is a systematic, statistical pooling of the results of 2 or more similar studies to address a question of interest or hypothesis. <div style="font-size:0.5em;text-align:right;">AMA Manual of Style 11th Ed. p. 1002</div> </div> ] ??? 正答: e --- .pull-left[ 医師国家試験 第111回 F問題 5 ある研究の結果を示す。 ![](kokushi/111-f05-fig.png) この研究方法はどれか。 a 横断研究 b コホート研究 c 症例対照研究 d 症例集積研究 e メタ分析〈メタアナリスシス〉 ] .pull-right[ **forest plot:** graphical representation of the results of a series of studies when their results are summarized into a single graph; usually used for showing the results of meta-analyses. Each horizontal line represents the point estimate and 95% CIs for a single study. The size of the symbol that represents the study results' point estimate is proportional to the weight that study was given in the meta-analysis.</div> <div style="font-size:0.5em;text-align:right;">AMA Manual of Style 11th Ed. p. 1039</div> </div> ] ??? 正答: e 本問題のような図を Forest plot と言います。 --- 出席管理は教務が行なっています。 * 必ず、学生証を通してください。 * テストなど特別な日に学生証を通すことを忘れる人がいます。 * 学生証を忘れた場合は一階の教務係で手続きしてください。 * 学生証は授業開始後10分有効ですが、教務係の手続きは授業前までです。 いずれも、教員は何もできません。